ボラ

Mugil cephalus cephalus
硬骨魚類綱/ボラ目/ボラ科/ボラ属

2003/04/26
神奈川県平塚市相模川河口

TL(全長):約2p
2003/07/06
神奈川県大磯町大磯港

TL(全長):約10p

◆国内:北海道以南。
◆国外:熱帯西アフリカ〜モロッコ沿岸をのぞく全世界の温帯・熱帯域。



◆現在は臭い魚の代名詞のような存在となってしまった感は否めないが、かつてはマダイの刺身と偽って売られていたこともあり、今でも外洋性の本種はすこぶる美味と言われる。またよく跳ねる魚でもあり、沿岸の海で跳ねる魚を目撃した場合は本種であることが多い。
◆水族館でも泳いでいるのを見られることもある。いわゆる海のある沿岸域と河川の河口域や下流域であればドコでも生活ができ、汚染が進んでいる海や河川でも大群で泳いでいるのを見ることができる位で、最も身近な海産魚の一つであるとも言えるだろう。2003年に東京都内の河川に大量に遡った本種を、ニュース番組がこぞって取り上げたのは記憶に新しい。
◆基本的に眼の良い魚であるが、冬は脂肪のせいで視力が低下する。だが、感覚器官も発達した魚であるため、その適応能力は他の魚よりも秀でている。
◆見た目が似たような種は多いが、本種は胸鰭基部が青いのと、側線に沿った縦線が何本もあるのが特徴で、慣れればすぐ見分けられる。
「とどのつまり」という慣用句をご存知だろうか。「とど」とは関東・東海地方でボラの80cm以上の個体を指す地方名だ。同地方では小型のものから「はく」、「おぼこ」、「いなっこ」、「いな」、「ぼら」、「とど」となり、漢字ではどれも「鯔・鰡」が当てられる。つまりボラは最後に「とど」と呼ばれる。このことから、結局とか、結局のところというような意味で使われる。
例えば、
太郎君:「2+4+8は、幾つになるか解るかな。」
太一君:「馬鹿にするなよ。14だろ。」
太郎君:「どうやって計算したの。」
太一君:「ん〜とね、4は2×2でしょ、8は2×4だから、合わせて2が7個あるわけだ。とどのつまりで、14と。」
太郎君:「そんな面倒なことしなくてもいいじゃん。普通に足せばさ。」
太一君:「……気にすんな。」
と、こんな感じだ。しかし、私は使っているヒトには今まで一人しか会ったことがない。積極的に使わないと、いずれこの慣用句は過去の言葉になってしまうかもしれない。
◆食用可。不味な個体と美味な個体の差が激しい。高次消費者ではないものの、身が臭い個体は脂溶性の有害物質が蓄積されている恐れもある為、食べる時は外洋性の個体のみにするのが無難だろう。「からすみ」は本種の卵巣を加工したもので、珍味として有名である。また、算盤の形をしたボラのへそと呼ばれるボラの胃壁の部分も珍味として知られている。