
Pseudocaranx dentex
硬骨魚類綱/スズキ目/アジ科/シマアジ属
![]() ◆国内:岩手県以南。 ◆国外:東部太平洋を除く全世界の暖海。 ※本種は日本産では2種を混同している可能性が示唆されており、全世界的にも分類の再検討が必要である。 ![]() ◆なんたって旨い。学名が「最も美味」という意味も頷けるほどだ。実際、魚屋やデパ地下でも見かけることが多いが、天然物は滅多に見かけることができない超がつく高級魚だ。養殖が盛んで、東シナ海のような南方に居る近縁種のミナミシマアジなんかが代用されていることもあるらしい。しかし、天然物を一度食べてしまうと、養殖物にはなかなか手を付けにくくなるので、本種を釣るには勇気が必要かもしれない。しかも、この魚はイシダイ科の魚やタイ科の魚と違って、大きくても、小さくても味に変わりはなく、釣りで釣れたヤツは大抵サイズに関係なく持ち帰られるようだ。 ◆分布としては、内湾には姿を見せないことが特徴だろうか。バリバリの外海でないと釣果は望めない感じの魚だ。特に私のお勧めは伊豆諸島。時期は島によって違うのだが、時期さえ間違わなければかなり高確率で姿を見れる。また、堤防でサビキ釣りで狙う場合は白いバケが特に有効らしい。これは八丈島限定かも知れないが……。また堤防じゃなく、その時期に船に乗れば言うことなし。80%、貴方の釣果は保証されたようなものだ。 ◆アジ科の魚なので口切れがし易く、とてもパワフルなヒキなので、釣り揚げるのは口切れがしやすいだけのマアジよりも数段難しいとされている。しかも、大きいものはメーターを超えるという、夢が広がる対象魚。旨くて、ヒキが強くてバレ易く、しかも超大型がいる。こんな三拍子揃った魚は意外と少ない。というか、他にいるだろうか。 ◆普段は底の方にヒイラギやボラのように、砂底で砂ごと吸って、ペッと餌だけ食べて砂を吐き出すので、マアジ釣りと同じように堤防では下層を狙うのが良い。ただ、砂を吸ったり吐いたりするので、口腔内にカイワリと同じシマアジノエという櫂足類が寄生していたりすることもある。寄生虫には宿主特異性という、特定の魚にしかつかない特徴があるのだが、このことからもシマアジとカイワリが近縁であることが伺える。余談になるが、この寄生虫についてはヒトには全くもっての無害で、何の影響もないどころか食べたらタンパク源になるほどのやつなのでご安心を。 ◆それと申し上げ難いことなのだが、残念ながら「シマアジを釣った」という釣り人のバケツを覗いたり、写真を見ると別種であることがかなりある。その内訳は、ギンガメアジなどの「平鯵(ひらあじ)」類かカイワリであることが殆どだ。しかし、ガックリしなくても良い。味についてはシマアジよりはやや劣るかもしれないが、いずれも絶品であることには違いない。シマアジは体側に黄色縦線を持つ個体と持たない個体がいて、それが別種になるのではないかと言われてもいるが、体が長く、脂瞼(ボラの眼の周りのアレである)は未発達、側線の湾曲部の終点が第2背鰭下の中央かそれより後方であることなどで同定ができるが、見た目が違うので、良い眼を持つ人は見ればすぐに判る。良い眼を持って欲しい。 2000/08/17 曇、中潮:伊豆諸島・八丈島神湊港軍艦堤防 尾数→1尾 大きさ→35cm、0.5kg |