ウミタナゴ
Ditrema temmincki
硬骨魚類綱/スズキ目/ウミタナゴ科/ウミタナゴ属

2003/07/06
神奈川県大磯町大磯港

TL(全長):約12p
2003/07/06
神奈川県大磯町大磯港

TL(全長):約10p
2003/07/15
神奈川県大磯町大磯港

TL(全長):約10p

◆国内:北海道中部以南の日本沿岸各地。
◆国外:〜朝鮮半島南部、黄海。



◆身近な港や小磯でよく見かける種。それこそ、海が澄んでいる時や場所では堤防から覗き込んだら姿が確認できるくらいで、知っていれば、一見して本種かなぁと予測までできるほどだ。
◆しかし、本種かなぁと濁らせるのにはワケがある。実は、アオアタナゴという非常によく似た種がいて、見分け方もいまいちで、研究者の間でも混乱があるほど。 アオタナゴは頭の上がやや凹むことと、眼から上顎後端(顎=あご)へ1本の褐色斜線があること、臀鰭(臀≒尻,鰭=ひれ)の基部が黒いこと、腹鰭は無色であることという形質があるらしい。 それに比べ本種は、頭の上は凹まないこと、眼から上顎後端へ2本の褐色斜線があること、臀鰭の基部が黒くないこと、腹鰭は基部に黒点があるか、黒いという形質を持つという。 しかし、実際には頭の上が凹む本種個体もいるし、上顎後端への褐色斜線の本数もイマイチしっくり来る形質ではない。私は、もっぱら臀鰭基部が黒くないことと、腹鰭の基部に黒点があるか、黒いかということの2点だけで判別している。
◆また、本種には2タイプあり、青味がかったマタナゴ型と、それよりやや深い場所に生息すると言われている赤味がかったアカタナゴ型とがあり、今後の研究によりこの2タイプが別種になりそうな雰囲気もある。こんな身近な魚なのに、なかなか一筋縄ではいかないのが魚の楽しいところだ。
◆産卵形式は魚にしては珍しい卵胎生であることはかなり有名で、毎年春頃に卵ではなく、直接赤ん坊を産む。それも平均30尾も産む。産む数は大きい個体ほど多い。 赤ん坊は体の尾鰭の方から産み落とされる、いわゆる逆子で、地方によっては逆子は良くないから妊婦には食べさせないという話がある。 しかし、たくさん子供を産むので、逆に縁起が良いからと妊婦に積極的に食べさせる地方もあるらしい。 まぁ、今ではあまりそういう話もないんだろうけど……。
◆釣りで結構簡単に釣れるが、釣った個体をまた海に放すと、何故だか他の個体まで釣れなくなる。 意外と仲間と連絡を密に取り合っているということなのだろうか。不思議だ。 春頃に釣ってバケツの中で泳がせていると、そこで産卵を始めて、ポンポン子供を産み出すことがあり、驚かされることもある。知っているとあまりビックリしないんだけどね。
◆食用可。最近では売られているのも見かける機会が多くなってきた気がする。身が水っぽいので、煮付けがお勧め。