吉岡心平のマーク

タキ10150形10155

私有貨車


 タンク車の消長には化学工業の原料転換を契機とするものが多い。
 かつて電気化学では、八木原地区で自製したカーバイトと、近隣の関東電化からパイプラインで引いた塩素により塩化ビニルを生産していた。ところが石油化学の勃興で、価格的に優位なコンビナートからの液化塩化ビニルに転換することになり、作られたのが今回取り上げる車両達である。

 タキ10150形は30トン積液化塩化ビニル専用車で、昭和43〜54年に33両が製作された。タキ5800形25トン車の拡大版で、需要から見るともっと作られても良い筈だが、同時期に日石輸送がLPタムの転用車であるタキ5850形を大量に製作したため、これに邪魔された形になっている。

 タキ10155は10150〜57の一員として、昭和43年1月富士重で製作された。

 タンク体には、液化塩化ビニル専用車で初めて高張力鋼を採用した。使用圧力が低いため、板厚は胴板11mm・鏡板14mmと比較的薄い。なお本ロットの鏡板は他より厚く、これ以降製作された車両の鏡板は、全て12mm厚となっている。
 タンク寸法は直径1,960mm・長さ12,570mmで、直径の根拠はタサ5700形にしたものと思われる。タンク周囲には保冷用の厚さ75mmグラスウール断熱材と薄鋼板製のキセがあった。
 台枠は平形で、長さは12,950mm、ブレーキはKE形+片側、台車はTR41Cである。

 所有者は電気化学工業KK・常備駅は青海であったが、実際の運用は京葉地区から八木原だったようである。写真の10155を含むトップから7両は、満10才となる昭和52年12月に廃車となり、残る10157は同時期に信越化学に移籍したが、これも程なく廃車となった。


●同一形式 タキ10150形10160(第103週)   昭和43年川崎製で三井化学工業KK向、廃車後に台湾で再起。

        タキ10150形10184(特別編601) 昭和54年日車製で日本石油輸送KK向、TR216台車を装備。
塩化ビニル専用車のガイド


【第221週】041121作成R4、050223R4A、050509ロット表追加、050624リンク追加、070210ロット表R2、070727ロット表R3+R4A2。


タキ10150形のロット表

ロット 番号 製造年 製造所 落成時の所有者
10150〜10157 S4301〜4303 富士重 電気化学工業KK
10158,10159 S4312 富士重 電気化学工業KK
10160〜10162 S4312 川崎 三井東圧化学KK
10163〜10165 S4312 日車本店 三井東圧化学KK
10166,10167 S4404 川崎 日本石油輸送KK
10168,10169 S4404 川崎 旭硝子KK
10170〜10172 S4404 川崎 電気化学工業KK
10173 S4404 日車本店 日本石油輸送KK
10174,10175 S4404 三菱 日本石油輸送KK
10 10176〜10178 S4406〜4407 三菱 三菱商事KK
11 10179〜10183 S4602 富士重 セントラル硝子KK
12 10184〜10186 S5404 日車 日本石油輸送KK
13 10187,10188 S5404 日車 日本陸運産業KK
14 10189,10190 S5406 日車 日本石油輸送KK
15 10191,10192 S5406 川崎 旭硝子KK

タキ10150形10155の写真

【写真221】 タキ10150形10155 昭和49年1月12日 村田駅にて P:吉岡心平

この写真は吉岡写真CD−ROM第24巻に収録されています。